TOP特集・インタビュー一覧>2010年3月15日発行号
株なび通信vol.3

2010年3月15日発行号
一覧へ戻る

特集・インタビュー

企業突撃インタビュー
「品質」がグローバルに認められた、自動車部品メーカー 株式会社ヨロズ
高機能+強剛性のサスペンション部品を提供

藤崎
 事業内容と特徴、強み等を教えてください。
志藤
 1948年の設立以来、サスペンションを主体とする自動車部品一筋のモノづくりをしています。サスペンションとは路面とボディを結ぶ、足回り関係の部品です。例えていうならば、スキーをしている時の膝の部分に当たります。スキーで滑る(走る)、曲がる、止まる時には膝を使ってコントロールしますが、その膝の役目に相当するのがサスペンションです。走る時には路面からの衝撃を受けます。これをいかにやわらげてスムーズな走りにするか、曲がる時には遠心力をいかに制御するか、止まる時にはいかに安全に安定して止まるかといったことはサスペンションの性能に左右されますから、常に技術を追求し続けなければならない部品です。
 また、専門用語では「剛性」と言いますが、どんな衝撃に対しても壊れないほどの強さが必要です。万一、サスペンションが走行中に壊れるようなことがあれば、車を制御できず走行不能になり大事故を引き起こす可能性が高くなります。ですから、サスペンション部品は高機能であり同時に剛性に優れていなければなりません。おかげさまで、高品質であることが評価され、日系メーカー全11社、アメリカのビッグ3にも納入させていただいています。一例を挙げれば、日産のGTR、スカイライン、ホンダのシビック、CR -V,トヨタのカローラやカムリ、また、GM のシボレーなどのサスペンションにも弊社製品は採用されています。

独自の品質保証システムを構築

藤崎
 品質に対する絶対的自信は、独自の品質保証システムにも表れていますね。
志藤
 自分たちが担当した部分について品質を保証することを一般には、「自工程保証」といいますが、弊社は、私の造語ではありますが、「自次工程保証」をモットーとしています。これは、協力メーカーを含む工程に対しても品質を保証するというものです。こうした姿勢が評価されて、世界の各自動車メーカーから賞をいただいています。
 役員会においても決算内容の吟味の前に、まず安全と品質を議題にするほど品質にこだわっています。弊社の経営方針に、「販売量ありき」といった考え方はしてございません。量に固執すると能力を超えた受注をするなど、弊害が出ます。量の追求も大切ですが、まず重要なのは世界にも通用する品質であり、「ヨロズなら安心」といったブランド力を高めることだと思っています。また、世界中のすべての生産拠点で、同一基準の同一品質を保っています。世界各地の基準をクリアしながら、同一基準で生産効率を上げることが出来るというのも、大変重要なことです。

今後の狙いはアジア市場

藤崎
 海外でも大きな成果を挙げているというお話ですが、海外動向について教えてください。
岡島
 従来、最大の自動車市場はアメリカで、アメリカとメキシコに重点を置いた海外戦略を展開してきました。ところが、2008年のリーマンショックでアメリカ市場は冷え込み、代わって台頭してきたのが中国やインドのアジア市場です。そこで、アメリカに持っていた3つの生産拠点のうち、1つは閉鎖、1つは休止して、1か所に集中させ、中国に経営資源を大きくシフトさせました。現在でも中国には生産拠点を持っていますが、第2の拠点を計画中です。また、インド市場も200万台を突破し、今後も有望ですから、生産拠点をつくることも計画中です。

今だからこそ、事業の効率化と環境問題に真摯に、更に取り組む

藤崎
 今期は当初営業赤字を予測されていましたが、今の時点で37億円の営業黒字を見込めるほど業績回復できたのはなぜでしょうか?
岡島
 08年のリーマンショックの影響で、自動車市場の極端な冷え込みを意識して赤字予測を出しました。実際、売上高を見ると、当初計画から4%しか増えていません。そこで、徹底したコスト削減をすることで収益改善を試みました。例えば、前述したように、アメリカの3工場のうち現在稼働しているのは1つで、アメリカでは700人を一時解雇しました。通常、工場は昼と夜の2シフトを組んでいますが、受注量が減ったために1シフトにしています。光熱費や燃料代を節約できるうえ、人件費は、夜勤手当などがつかない分、かなりの削減ができました。更に、非稼働日を設けたり役員や管理職の報酬のカットも断行しました。
 ただし今回の決定は、コスト削減だけが目的ではありませんでした。生産時間を短縮することはCO2削減に貢献できます。生産に追われていない今だからこそ出来る、工程見直し等の効率化や、エコの基本である3R(リデュース、リユース、リサイクル)を更に推し進めています。工場内で使用しているフォークリフトや台車などもEV(電気自動車)に変えましたし、受注に合わせて生産量を制御する等、在庫を抱えない仕組みも徹底させました。

藤崎奈々子
トップマネジメントによるIR活動

藤崎
 IRポリシーとして、トップマネジメントによるIR活動、フェア・ディスクロージャーを掲げていらっしゃいますね。
志藤
 当たり前の事ではありますが、機関投資家、個人投資家の区別なく、同じ情報を同じタイミングで提供するべきであるというのが弊社の考えです。ありのままの会社の状況をお伝えするために、私自らが個人投資家セミナーなどで説明し、皆様からの質問を直接受けています
 また、安定配当を基準に、出来るだけご期待に添える増配を心がけております。今期は売上減のため、当初配当を未定としておりましたが、最終的には、昨年と同額の配当とさせていただきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

自動車業界の未来は明るい

藤崎
 アメリカ市場の縮小や、日本の若者の車離れが進んでいます。このような状況では、自動車産業は低迷するのではないかという見方もあるようですね。
岡島
 確かに日本の都市部では、電車やバス、飛行機など代替機関が充実しており、車に依存しない生活を送る人も多いです。しかし地方で車は、最適な移動手段として利用されています。
 中国やインドでは、日本の30~40年前のようなモータリゼーションが今まさに起こっています。3~4年前までは中国の自動車市場は300~400万台でしたが、今年は1130万台へと膨れ、リーマンショック以降、1500万台から1000万台強になったアメリカ市場を追い越しました。特徴的なのは、中国やインドで車を買う人の約8割は、初めて車を買う人たちだということです。つまり、これから車社会へ突入していこうとしているわけです。日本では人口減ですが、世界全体では人口は増えており、その多くがこれから車を使う人たちですから、自動車産業はまだまだ成長するはずです。

「3現」に「2原」を加えた「5ゲン主義」

藤崎
 アジアの自動車市場の成長は著しいものがありますね。では、新市場での戦略を教えてください。
岡島
 部品メーカーですが、開発から生産まで一貫したシステムを構築できているのが弊社の強みです。こうした流れを精査し、「5ゲン主義」に基づき、さらなる改善を目指しています。「5ゲン主義」とは「現場」で「現物」を見ながら「現実」的に考え、「原理」「原則」に適った製品をつくることです。アジア市場を制するにはその場所に合った製品を供給することが大事であり、具体的には、「低価格」というのが重要な条件の一つになると思います。当社は品質には自信を持っていますが、価格面ではまだまだ改善の余地があります。この分野を強化することで、ますますの業績向上をお約束出来ます。


ヨロズのサイトへ